軍歴証明について②

2023年10月6日

「軍歴証明について①」(ブログ8/2)に続き、

海軍所属であった伯父の軍歴証明について、内容を一つ一つ見ていきます。

●戦死者公表資料 熊本県 佐世保地方復員部 4枚 自昭和二十三年 至二十六年

戦歿番号・・・60 5260

等級・・・・・整長

入番・・・・・志整 13655

氏名                         —佐世保地方復員残務処理部—

「軍人現況不明者調書」

整理番号・・・・・・・102

戦死番号・・・・・・・60 5260

所轄(辞令年月日)・・佐世保空 19.5.29

等級・・・・・・・・・整兵長

入籍番号・・・・・・・志整13655

「家族の承知している情況」

 ●本人からの最後の通信  

    部隊符号・・・・呉局気付テ21テ64 マニラ955r

    受領年月日・・・昭19.11.20

    内容・・・・・・本人の家族の安否、送金の件 

 ●内地出発年月日、場所、乗船名(又は航空機)行先

    19.7.10 大牟田出発

    行先 マニラ方面と推定

 ●昭和21年8月1日又は其の後に未復員届を出したか出していなければその理由

    提出済

 ●家族渡受領の情況及取扱経理部

    連番 30326  佐世保経理部

佐人資料処置   19.11.20受 テ21テ64(マニラ955r)

         20.3.1 南菲r(955r)プエルトプリンセサ認定

氏名、生年月日、本籍地(現住所)、留守担当者

こちらには、家族の承知している情況として「本人からの最後の通信」の欄があります。

留守担当者となっている父親や家族が、軍事郵便物を保管していたのでしょうか。

家族の安否について書かれていたようです。

戦地にあっても家族のことを気遣っていた様子が伺えます。

●戦歿者名簿原稿 佐世保地方復員部 4枚

こちらは、~軍歴証明について①~の「戦死者名簿」と同じ内容が書かれています。

●戦没者調査票

在籍・・・・・・・佐復

方面別・・・・・・比島

地区別(場所)・・米軍

部隊別(所轄)・・南菲空

原簿整理番号・・・⑥5260 53-17

身分・・・・・・・整長

死歿年月日・・・・20.3.1

戦歿状況・・・・・菲島方面パラワン島

         ブエルトブリンセサにて

         上陸敵軍と交戦(戦死認定)

遺骨伝達・・・・・璽

氏名、生年月日、本籍、遺族住所・続柄・氏名

遺骨伝達の欄は、璽・髪・爪・骨・その他に分かれていて、

伯父の場合「」に〇がしてあります。

海外戦没者のうち日本に遺骨が戻ってきたのは、半数に過ぎないといわれています。

そのため、戦地から遺骨が戻ってこない場合

遺髪や遺爪、遺品、戦地の石や砂が遺骨箱に納められていました。

それすらない場合、霊璽と称された戦死者の名前が記されただけの

紙片が納められていたということです。

空の遺骨箱を受け取った家族の思いはどのようなものだったのか想像もつきません。

以上が、厚生労働省から届いた軍歴証明の全てです。

伯父は昭和18年、19歳で海軍整備兵となり、昭和19年、20歳で外地に送られていました。

同年11月には家族へ最後の通信があったので、その頃までは元気にしていたのでしょう。

その後、昭和20年3月、21歳で戦死認定されています。

軍歴証明により伯父の生前の様子を知ることができ、

また、取り寄せした戸籍では出てこなかったご先祖の名が記された箇所もありました。

戸籍と同じく、ご先祖を知るうえで重要な軍歴証明が

末永く残されていくことを願います。

※当事務所では、軍歴資料を取り寄せるサービスは行っておりません。

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