本籍地の昔と今
2023年4月7日
「本籍地はどこですか?」と聞かれて
パッと答えられる方はどれぐらいいるでしょうか。
以前は免許証に記載されるなど目にする機会もありましたが、
現在はなくなっています。
先祖代々の家や跡地の住所を本籍としていて現住所から遠方である、
出生地や居住地と本籍地が異なるなど
自身の本籍を把握していない方も多いのでは・・。
このように現代において本籍の重要性はあまりないように感じられますが、
昔の本籍地が持つ意味は現代とは異なるものでした。
本籍の在り方がどう変わっていったのか、時代の移り変わりと共にみていきましょう。
現行戸籍制度において本籍とは、戸籍に記載される人が任意に定める
日本国内のいずれかの場所のことです。
(本籍地は戸籍が保管されている自治体の場所として、本籍と区別されてよばれることもあります。)
本籍は現住所と無関係にその時点で実在する、日本国内の地番がある場所であればどこに決めてもよく
1か所の土地に複数人の本籍が置かれることもあります。
皇居やお城、ディズニーランドなどの場所が本籍として人気があるそうです。
思い出の場所があれば、そういった場所を本籍にするのもいいかもしれませんね。
市町村合併や住居表示、区画整理の実施により市町村名や字名が変わった場合は、
戸籍に記載された本籍の表示は、市区町村長の職権で自動的に変更されます。
旧戸籍制度においての本籍は、居住地と定められていて
戸籍は住所証明の機能を備えていました。
戸主と家族の住所である家の所在地を示し、当初は屋敷・家屋を単位にして
家の並び順に番号が割り振られていました。
時代が進むにつれ本籍地以外で仕事をしたり、
本籍地を離れて生活を営む人が多くなってきます。
産業経済の発展と交通機関の発達により、人口移動が激化。
家族の生活関係も複雑化し、家族共同体の全員が終生
一定の場所に居住することは困難となりました。
次第に本籍地=居住地(住所)という形態が崩れていき、
本籍は住んでいる場所でなくてもよいことになります。
このような社会環境の変化により、昔と今の本籍の在り方は変わっていきました。
戸籍は本籍地でしか取れないため、本籍地が住んでいる市区町村以外だった場合
取り寄せに苦労することがあります。
マイナンバーカードをお持ちでしたら、現行戸籍であれば
自治体によってはコンビニでの取得も可能になってきています。
本籍地と自分の住んでいる場所が遠くても戸籍が手軽に取れる、
便利な世の中になってきています。