戸籍の用語集
2024年5月2日
戸籍には、現在では使われない戦前の家制度の用語など、
普段聞き慣れない言葉が出てきます。
戸籍用語の意味を理解しながら戸籍を読んでいくと、
その戸籍が作られた時代をイメージでき、難しい戸籍の読み解きが面白くなります。
戸籍をご覧になる際の参考になれば幸いです。
本籍
戸籍の最初に書かれている、戸籍の所在場所。
明治初期まで、本籍地は居住地と定められていた。
現在は、日本国内であればどこでも自由に決めることができるため、
本籍と住所が一致するとは限らない。
番戸・番邸・番屋敷
古い戸籍の本籍地に書かれている。
「番地」が土地に付けられるものに対し、家屋・屋敷に割り振られた番号のこと。
筆頭者
戸籍の一番はじめに記載されている人。
筆頭者が亡くなっても、筆頭者はそのままで変わらない。
一般的に親と未婚の子の場合、親が筆頭者となる。
婚姻している場合、本人または配偶者のどちらかとなり、
夫の氏を選ぶと夫が筆頭者となる。
入籍
出生によって子が父母の戸籍に入ったり、
婚姻・縁組等により他の戸籍に入ったりすること。
転籍
本籍地を変更すること。
戸籍の筆頭者及びその配偶者からの届出により、
戸籍に記載されている全員の本籍地が変更になる。
除籍
ある戸籍に在籍していた人が、婚姻・死亡等の事由によりその戸籍から除かれること。
復籍
婚姻・縁組等で他の戸籍に入っていたが、離婚・離縁等により元の戸籍に戻ること。
消除
戸籍の改製や全員の除籍によって戸籍が閉鎖されること。
戸主
「家」を単位としていた戸籍制度での一家の長、責任者。
主にその家の長男が戸主となっていた。
女戸主
家督相続し戸主となった女性のこと。
家督
戸主としての権利・義務を含めた地位及び財産。
家督相続
戸主の死亡・隠居等により、家督を次の戸主へ継承すること。
戸主の身分と財産を一人が受け継ぐもので、主に長男が相続していた。
隠居
戸主が生前に家督を譲り、戸主の地位から退くこと。
分家
ある家に属する家族が、戸主の同意を得てその家を離れて、新たに一家を設立すること。
新たに戸籍が作られる。
廃家
戸主が婚姻や養子縁組などの理由により、
他家に入るために元の家を消滅させること。
婚姻
戦前の戸籍制度は家を単位とするため、結婚しても夫婦で新戸籍を作らず
夫(妻)の戸籍に入っていた。
戦後の戸籍制度は夫婦を単位とするため、婚姻によって新戸籍が作られる。
入夫婚姻
女戸主である妻の家に、夫が入る婚姻のこと。
戦前の婚姻の多くは妻が夫の家に入り夫の氏を称していたが、
入夫婚姻では、夫が妻の家に入り妻の氏を称していた。
養子縁組
血縁関係になくても法律上の親子関係を成立させるための制度。
婿養子縁組婚姻
養子縁組と同時に、養親の娘と婚姻を行うこと。
養嗣子
跡継ぎ、家督相続人となる養子のこと。
子の続柄
戦前・・先妻後妻の子に関わらず、戸主から見て生まれた順に長女、二女・・と記載される。
戦後・・婚姻関係にある夫婦を基準に、子の続柄が記載される。
例えば、先妻・後妻それぞれで生まれた最初の女の子は、
どちらも戸籍上は長女と記載される。
嫡出子
婚姻関係にある男女を父母として出生した子のこと。